夫婦に見られない7

 
以前から行ってみたいカフェがあり、休日に妻と行くことにしました。

前回行った時は、かなり混んでいて並ばなければ入れず、その時は時間も無かったため断念していました。

店に着くと、やはり混んでいました。
しかし、ウエイターさんに、
「横並びの席が一つ空いています。そこで大丈夫ですか?」
と聞かれました。

空いている。ラッキーと思い、横並びで特に問題は無いためそこでお願いしました。

席に案内されると、周りはカップルだらけのソファー席でした。
そこで横になって座り、お茶をするという感じでした。

ここでもウエイトレスさんに、
「横並びの席ですけど、大丈夫ですか?」
と聞かれたのです。

全く問題はないので、大丈夫ですと席に着きました。

妻と横になって座り、ぺちゃくちゃと喋っていました。
そのうちケーキやコーヒーも届き、お茶を楽しんでいました。

そして、ふと思いあたったのです。

最初のウエイターさんもウエイトレスさんも、自分達を夫婦とは見ていなかったのだと。
カップルが座るような横並びの席に、見た感じ夫婦にも恋人にも見えない赤の他人を案内していいのか迷っていたのだと。

だから、しつこくこの席でいいか確認していたのか・・・
なるほど・・・
と真相に気づき、複雑な思いでお茶の続きをしていたのでした。

 

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